カリフォルニア州エネルギー委員会について
カリフォルニア州の重要なエネルギー政策および計画を担う機関として、カリフォルニアエネルギー委員会はクリーンで現代社会のニーズに応え、世界で5番目の規模を誇る州の経済の継続を確実に繁栄させていく未来のエネルギーシステムを構築する重要な役割を担っています。カリフォルニアの将来を守るためには、気候変動との闘いは必須です。エネルギー委員会にとって、低炭素経済を確立することのできる政策とプログラムを作成・実行していくことが第一の役割です。
委員会は、カリフォルニアにおける未来のエネルギーシステムをつくるにあたって、次のような活動をおこなっています。
計画と政策開発:
州のエネルギーシステムを安全で信頼性が高く、州民の負担が少ない価格に抑えつつ、カリフォルニアが目指す自然保護とエネルギー共存の高い目標を達成するには、今日の問題の解決に有効な計画を綿密にたて、政策を考える必要があります。大規模な交通手段の電化に伴って予測されるニーズから、アリソキャニオン地域の天然ガス貯蔵施設を10年以内に閉鎖する提案まで、委員会はカリフォルニアが直面しているエネルギー需要と諸問題の解決のため、最先端の技術を駆使した分析と政策提案の開発をおこなっています。
再生可能エネルギーへの転換:
州で使用される電力の60%を2030年までに風力、太陽光、地熱など再生可能な資源からにする法案の成立など、カリフォルニアは再生可能エネルギーに対して高い目標を設定しています。
委員会は州の画期的な法案である再生可能エネルギー導入割当基準(Renewable Portfolio Standard、RPS)を管理しており、すべての発電・電力小売業者が電力供給資源の割合を消費者に公開するよう義務付け、再生可能エネルギー発電施設の承認や電力会社のRPS目標達成確認などをおこなっています。
エネルギー効率:
コストや環境への影響、およびエネルギーシステムの脆弱性を減らすには、エネルギー使用量を減らすことが一番簡単です。40年以上にわたって、委員会ではエネルギー効率向上戦略を進める上で非常に重要な役割を果たしてきました。コストパフォーマンスの高い家電の導入およびエネルギー効率基準の確立を通して、消費者が負担する光熱費を1,100億ドル以上カットすることができました。
エネルギーイノベーション:
信頼性が高く、よりクリーンで安全、そして消費者フレンドリーな価格で州内にエネルギーを供給できるようにするには現代社会のニーズに合ったエネルギーシステムを構築する必要がありますが、そのためには州内に技術イノベーションを起こしていかなければなりません。エネルギー委員会はエネルギー研究、開発、デモンストレーション(RD&D)プロジェクトに力を入れています。委員会は電力および天然ガスシステムのためのさまざまなRD&Dプロジェクトに対して、年間およそ1億5000万ドルの予算を割り当てています。さらに、1億1000万ドルをかけてカリフォルニア州内の食品加工業におけるエネルギーコストと温室効果ガス排出量を節減する努力をしています。
よりクリーンな交通手段:
カリフォルニアの輸送・交通分野は、温室効果ガス排出など大気汚染の大きな原因となっています。委員会では、年間およそ1億ドルの予算を低炭素排出燃料と車両技術の開発・普及に割り当てています。また、州内でEV充電のインフラ整備を促進するリーダーの役割を果たしており、州におけるプラグイン電気自動車向け充電ステーションへの投資をリードし、アメリカ国内で初のFCV車(水素ガスで発電する燃料電池車)向けステーションのネットワーク作りをリードしています。
信頼できる電力インフラストラクチャ:
エネルギー委員会は、提示された特定のエネルギー施設の位置、建設、経営が環境保護や住民の健康と安全を守る状態にあるようチェックし、そぐわない場合は閉鎖も視野に入れて管理しています。さらに、委員会ではエネルギー輸送インフラの計画もおこなっています。
緊急対策 :
深刻な山火事の発生が増え、地震もいつ襲ってくるかわからない、はなはだしい干ばつや洪水が繰り返し起きる、そんな環境においては、カリフォルニア住民の健康と安全を守ることが緊急事態に備えるために欠かせない重要課題です。エネルギー委員会は、自然災害やその他の緊急事態にエネルギー供給が途絶えた場合、どのように対処するのか戦略を展開しています。また、州の緊急対策もサポートし、州知事からの要請に基づいて燃料供給業者に燃料を災害対応へ回したり、復興支援に優先使用できるよう指示することもあります。